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その頭痛、貧血かも…
貧血の症状と原因

「貧血」と聞くと、めまいや立ちくらみをイメージしやすいと思いますが、それ以外にも頭痛などのさまざまな症状があります。
「たかが貧血」と受診せずにいる方も多いと思いますが、放置すると心不全など命にもかかわりうる病気です。
今回は、貧血の症状と原因について、治療法や予防法も交えて解説していきます。

貧血とは?

貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなった状態のことです。
ヘモグロビンは、鉄を含むタンパク質で、全身の隅々まで酸素を届ける役割を担っています。
そのため、ヘモグロビンの量が少なくなると、体内の酸素が不足してさまざまな症状が生じることになります。

貧血の症状にはどんなものがある?

貧血にはさまざまな症状があり、頭痛などのちょっとした不調の裏にも貧血が隠れていることがあります
次のような不調がみられたら、貧血の可能性があるかもしれません。

貧血の症状

貧血の種類と原因

貧血と一言でいっても、実はその原因はさまざまで、原因を正しく特定することが、治療の第一歩となります。

貧血の種類

貧血の受診と治療法

受診の目安

顔面蒼白(そうはく)、動機・息切れ、めまいや立ちくらみなどが慢性的に続くなど、体調がいつもと違うと感じたら、それは貧血が原因かもしれません。
貧血の背後には、がんがある可能性も考えられます。
「健康診断の血液検査でヘモグロビンの値が低かった」など、明らかに異常がある場合は、早めに受診することをおすすめします。
一般的な受診先は内科または消化器内科で、女性なら婦人科も選択肢のひとつです。
貧血の原因によって治療法が変わるので、まずはどういう種類の貧血なのかを調べてもらうことから始まります。

治療法

鉄欠乏性貧血の場合、軽度なら食事指導だけで経過観察することもありますが、治療すべき段階と判断されれば鉄剤の服用をはじめます(場合によっては点滴治療の選択肢もあります)。
数か月の服用を続けながら、症状の変化やヘモグロビンの値を確認していきます。
途中でやめると再発の可能性があることを踏まえ、服用期間は治療開始後の血液検査の結果をみて、医師の判断で決められます。
消化管出血など別の病気が原因の場合は、その治療が必要です。

鉄剤の服用中は吐き気や便秘、軟便などの副作用がみられることがありますが、自己判断で服用を中止せず、副作用が気になる場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
なお、一部の抗生物質や下痢止めなどは、鉄剤との併用に注意が必要とされています。

鉄剤は水やぬるま湯で飲むようにしましょう。
お茶やコーヒーなどに含まれる「タンニン」は鉄分の吸収を阻害するといわれています。
また、お茶やコーヒーで鉄剤を飲むと、次第に歯が黒く着色することがあります。

日常生活でできる貧血予防

鉄欠乏症貧血は、食生活や生活習慣に気を付けることで予防できます。
具体的に見ていきましょう。

まずは食生活の見直しから

貧血予防のために欠かせないのは、栄養バランスが取れた健康的な食生活です。
1日に摂取しておきたい鉄分の目安は、成人男性が7.5mg、月経のある女性が10.5mg、月経のない女性は6.5mgといわれています

私たちの体内では、代謝によって毎日鉄分が消費されています(成人男性では約1mg、女性では約0.8mg)。
そのため、失われる鉄分を食事で補っていく必要があります。

鉄分を多く含む食品

食品に含まれる鉄分は、肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります
ヘム鉄は非ヘム鉄よりも体内への吸収率が高く、ヘム鉄を摂取することで非ヘム鉄の吸収も良くなります。
どちらかだけ摂取すれば良いということではなく、それぞれをバランス良く摂ることが大切です。
鉄分の摂取量を増やす方法として、鉄のフライパンで炒め物を作ったり、鉄瓶でお湯を沸かしたりする方法もあります。

鉄分を多く含む食品の例

貧血予防につながるおすすめ食品

貧血を予防するためには、鉄分を多く含む食品だけでなく、ヘモグロビンなどの材料になるタンパク質や、鉄分の吸収を高めるビタミンCの摂取も大切です
これらを毎日の食卓に取り入れる一方で、鉄分の吸収を阻害する食品はできるだけ控えるようにしましょう。
ほかの疾患で食事制限がある場合は、かかりつけ医や栄養士と相談したうえで取り組んでください。

貧血予防のための食品の例

健康長寿ネット「貧血予防に良い食事・食べ物・調理方法とは」

生活習慣の改善や健康診断の受診も大切

食生活の見直しとともに、生活習慣を整えることも意識しましょう。
特に、睡眠不足の状態では鉄分の吸収が低下して、貧血になりやすいといわれています。
規則正しい生活をすれば、自身の体調のささいな変化にも気付きやすくなります。
「なんだかいつもと違う」「これって貧血かも?」と感じたら、薬局で薬剤師に相談してみてください。

鉄欠乏症貧血の治療は、3~6か月程度かかるのが一般的といわれています。
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貧血は身近な病気ですが、裏には消化器系のがんなどの病気が隠れていることもあります。貧血の疑いがある場合は、早期受診をおすすめします。

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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