お役立ち情報
災害時の薬の備えと、
知られざる薬局の役割
忘れていませんか?
災害時の薬の備え
災害はいつ起きるかわかりません。
昨今、災害時に命を守る防災対策として、備蓄品の準備や家庭内でのルールを決めるなど、意識が高まっています。
防災対策として、薬に関してどのような準備をしておけば良いのでしょうか。
また、地域住民の健康を守るための、災害時における薬局・薬剤師の役割を解説します。
災害時に慌てないための準備
常備薬・持病の薬の準備
災害時は、薬や医療資材の在庫が不足するなどして、いつも服用している薬が手に入らない可能性があります。
そのため、服用できないと困る常備薬は、1週間分ほどを備蓄し対策しておきましょう。
薬の使用期限が切れていないかどうか、常日頃から確認が必要です。
先にもらった薬から服用し、新たにもらった薬を非常用に備えるなど定期的に管理しましょう。
特に、体調の維持に必要な薬を使用している場合(糖尿病のインスリンなど)は、薬の予備を必ず用意しておいてください。
外出先で被災する可能性もあるため、できるだけ持ち歩くように準備しておくと安心です。
薬に関する防災チェックリスト
電気が使えない大規模災害時には、医療機関や薬局側で電子カルテや薬歴簿を確認できないので、患者さまのお薬手帳が頼りでした。
また、お薬手帳などで服用している薬を確認できれば、処方箋なしでも薬局で薬を受け取れる特例が認められることがあります。
2011年の東日本大震災や、2024年の能登半島地震ではその特例が認められ、服薬が必要な方へ薬を迅速にお渡しすることができました。
災害時の薬局・薬剤師の役割
災害に対応するため、薬局・薬剤師はさまざまな活動を行っています。
- 被災者に対する医薬品の供給
- 医療救護所での支援活動
- 不足が予測される医薬品の補給手配
- 避難所の感染予防・拡大防止
- 被災地の衛生管理
- 被災者の体調管理・心のケアなど
災害の度合いによっては、薬局自体が正常に機能しない可能性もあります。
その場合は、薬のお渡しや相談ができる場所を臨時で設けて対応します。
医薬品類の供給が不足している場合は、限られた医薬品を最大限に活用する必要があります。
医療用医薬品だけでなく、市販薬や衛生用品などの医療資材の中から、患者さまの状態に合うものを提案します。
また、被災者の健康状態をチェックして、医師の診断が必要と判断した場合は受診をすすめます。
健康や食事に関する相談を受け、アドバイスを行うこともあります。
2024年の能登半島地震での
アイン薬局の取り組み
アイン薬局では全国から災害支援薬剤師を派遣し、薬局の復旧活動を支援しました。
地域の災害拠点病院へも薬剤師を派遣し、地域医療の復旧に取り組みました。
また、薬を持たずに避難した患者さまからの問い合わせを受けて、自宅や避難所へ薬をお届けするなど、多岐にわたり被災者の健康をサポートしました。
災害時の重要な情報となるお薬手帳。
公式アプリ「いつでもアイン薬局」の「お薬手帳」では、災害で通信が不安定な状態でも、お薬手帳に記録された過去100日分の薬剤情報をオフラインで確認できます。
家族の薬も一括管理できるので、家族の適切な治療の継続にも役立ちます。
スマートフォンなら災害時でも忘れずに携帯できるはず。
これを機にぜひご活用ください。
参考文献・資料