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高血圧の主な症状とは?原因・治療法をチェック
高血圧は「よくあることだから大丈夫」は本当?
高血圧は脳卒中や心疾患等につながる原因のひとつになります。
原因や治療法を知って、生活習慣を整えながら血圧をコントロールしていきましょう。
自覚症状はなくても、体の中では……
高血圧は「健康診断で指摘されたけれど、特に体調は変わらないから」「自分だけじゃなく、みんな高血圧だから」と治療が先延ばしにされがち。
自覚症状がない状態だと、積極的に治療に取り組むことは簡単ではありません。
高血圧は、日本で約4,300万人(未治療者を含む推定)が抱えており、国民病ともいえる病気です。
しかし初期症状がないため(人によっては頭痛やめまい、肩こり等が現れることがあります)、「自分は高血圧なんだ」と気づきにくいので、注意が必要です。
自分が高血圧かどうかは、家庭用血圧計で自己測定すれば簡単に知ることができます。
高血圧と診断される基準値は以下のとおりです。
高血圧の基準値
単位:mmHg
収縮期血圧 |
拡張期血圧 |
|
家庭で自己測定する場合 |
135以上 |
85以上 |
検査等で医療従事者に測定してもらう場合 |
140以上 |
90以上 |
この基準値より血圧が高ければ、生活習慣の改善や治療が必要な状態ということになります。
高血圧は、心臓や脳の病気(心疾患や脳卒中等)につながる原因のひとつです。
実際、日本人の死因(図)を見ると、直接高血圧で亡くなる人と高血圧が深く関係する心疾患※1、脳卒中を合わせると22.9%になり※2、がんの26.5%に迫っています。
※1 高血圧性心疾患だけでなく、虚血性心疾患(心臓に送る血液の流れが悪くなり酸素不足になる状態)も高血圧が原因のひとつとなります。
※2 「その他」の中に、高血圧性疾患(0.7%)が含まれています。
日本人の主な死因の構成割合(2021)(図)
厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より作図
その他にも、血圧が高い状態が続くと、視力の低下、全身のむくみ、最終的には人工透析が必要になる等、多くの臓器や部位にさまざまな悪影響が出てきます。
したがって、これらの悪影響をもたらさない範囲に血圧をコントロールすることが、高血圧治療の大きな目的になります。
しかし、わが国において高血圧をかかえる約4,300万人のうち、血圧を適切にコントロールできているのはわずか1/4程度といわれており治療に前向きに取り組むことが重要です。
そもそも、高血圧になる原因とは?
高血圧は原因が特定できない場合が多い(本態性高血圧といいます)ため、生活習慣の全般的な見直しや薬物治療により、改善を図ります。
「塩分を摂りすぎると血圧が高くなる」と聞いたことがあるかもしれませんが、生活習慣をはじめ血圧を上げる要因はさまざま考えられます。
例えば、肥満、多量の飲酒、運動不足、ストレス、疲労、睡眠不足、加齢等です。
では、これらの生活習慣が血圧を上げてしまうのはなぜでしょうか?
塩分の摂りすぎ
まずは塩分の摂りすぎがどのように血圧に関連しているのか考えてみましょう。
塩分を摂りすぎて血液中の塩分濃度が上がると、浸透圧の働きで血管内に大量の水が移動します。
塩分を摂りすぎている状態の血管イメージ①
すると、血管を通る血液の量が増えます。
ここで、ホースの中を水が流れている様子をイメージしてみてください。
水の量が多ければ多いほど、ホースの内側にかかる圧が強くなりますね。
これが、まさに高血圧の状態です。
塩分を摂りすぎている状態の血管イメージ②
加齢やストレス、睡眠不足
加齢やストレス、
睡眠不足等が起きている状態の血管イメージ
高血圧の薬と上手に付き合うコツ
生活習慣の改善と並行して、降圧薬が処方されることもあります。
特に、血圧が180/110mmHgを超える等リスクが高い場合は、降圧薬を飲んで早期に血圧を下げ、脳や心臓を守ることが最優先になります。
「血圧の薬は、飲み始めたら一生続けないといけない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、血圧が安定してくれば、薬の種類や量を減らしたり服用をやめたりすることができます。
大切なのは、自己判断で薬の量を変えたり、中断をしたりしないことです。
治療効果は数ヶ月かけてゆっくりと現れてくるので、主治医の指導をよく守って薬と付き合っていきましょう。
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記事監修
野原 弘義
精神科医/産業医
2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室
入局。
2018年
製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年
アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。