人的資本経営

当社グループは、人材戦略を経営基盤における重要課題として掲げ、取り組みを強化しています。多様性を尊重し、社員一人ひとりの能力を最大限発揮できるよう、支援体制を構築するとともに、多様なキャリア形成のための評価制度等を拡充することで、お客さま・患者さまへ確かなサービスを提供できる人材への成長を促し、「お客さまの元気と笑顔」の実現と、グループ全体のイノベーションの創出を目指しています。

ガバナンス

人的資本経営に対するリスク管理や戦略、目標の設定等については、サステナビリティ委員会のもとに人的資本対応チームを設けて、データ集計や原案策定等にあたらせ、これを同委員会において議論し確定しています。
サステナビリティ委員会は、グループ全社で横断的にサステナビリティ経営を推進するため、取締役会承認の元設置された組織です。委員長である代表取締役社長をはじめとする経営陣や基幹グループ会社社長、各部門統括役員等で構成され、議論された内容については、取締役会に報告(年1回以上)し、取締役会が重要事項の決定と、同委員会の取り組みの監督を行っています。

リスクマネジメント

人的資本対応チームが、関連各部門と協議の上、全社的なリスクの洗い出し(リスク評価)を行います(年1回以上)。取り組み、KPI、進捗等についても、人的資本対応チームが関連各部と連携して適正な管理(リスク管理)を行うことで、目標の達成を目指します。
また、人的資本対応チームが主導するリスク評価・管理の内容は、グループ全社の横断的課題を統括しているサステナビリティ委員会に報告して、グループ全体の共通認識とし、さらなる議論と検討を進めます。

戦略

社員一人ひとりが多様なステークホルダーの視点に立ち、常に相手の想いに寄り添う「ホスピタリティ」を育むことが、社会課題の解決を実現する「挑戦力」へとつながっていくと考えています。性別、年齢、国籍、人種、信条、宗教、社会的身分、出身、障がい、性的指向、性自認等にかかわらず互いを認め合い、多様な働き方やキャリア形成を活かすことで、イノベーションを生み出し、多様な社員の活躍や成長を推進していきます。

当社グループのビジョン、グループ・ステートメント、人材育成方針及び社内環境整備方針等を踏まえ、企業戦略及びマテリアリティ(重要課題)をもとに、主な戦略・施策や戦略に紐づく人的資本関連施策を整理しました。さらに、人材版伊藤レポート、人的資本可視化指針、ISO30414の指標事例を参考にするとともに、当社独自の施策及び指標を再検討し、重要度分析及び企業価値向上、リスクマネジメントの視点から比較可能性と独自性を考慮したうえで、KPIを設定してます。

ROICツリーを用いた戦略マップです。ROICから、税引き前ROIC、さらに売上高営業利益率と投下資本回転率に分解しています。それらの改善ドライバーとして、売上高伸び率、売上総利益率 売上高販管費率 総資産回転率に分解しています。さらにそれらに紐づく主な戦略・施策として、トップラインの拡大、 薬局・店舗・本部の機能の向上、新サービスの提供、社員一人ひとりの価値創造力の向上、経費削減、在庫回転率の圧縮に分解しています。それらに対する戦略に紐づく人的資本関連施策として、人材の積極採用、社内人材の育成・能力開発、社内人材の育成・能力開発、外部専門人材の積極採用、社員エンゲージメントの向上、社員の健康力の向上、社員のダイバーシティ、在庫管理に関する能力の向上を掲げ、それぞれに紐づくKPIとして、新規採用数、離職数・率、総従業員数、正社員・臨時社員数、教育費用・時間、各認定薬局数、社内公募応募数、サクセッションプラン、中途採用人数(専門職)、社員エンゲージメント、月間平均残業時間、年次有給休暇取得率、長期連続休暇取得率、プレゼンティーイズム、アブゼンティーイズム、内部通報件数(ハラスメント)、労働災害度数率、健康関連研修受講率 社員の多様性、労働時間選択制度利用者数、女性管理職率、男女間賃金格差、育児休業取得率、介護休業取得数、人権関連研修受講率、BPRを設定しています。

※ROIC(Return On Invested Capital:投下資本利益率)とは、企業の収益力を測る指標のひとつであり、企業がビジネスに投じた資金を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを表す。
またROICツリーとは、ROICを段階的に分解し可視化したもの。現場レベルでもわかりやすい要素まで分解することで、より具体的な解決策に結び付けることができる。

指標と目標

トップラインの拡大

人材の積極採用

KPI 新規採用数
2023年度実績
  • 新卒採用 1,276人
  • 中途採用 561人
KPI 離職率
2023年度実績 7.8%
2030年度目標 5%以下
KPI 総従業員数
2023年度実績 15,114人
KPI 正社員・臨時社員数
2023年度実績
  • 正社員 11,474人
  • 臨時社員 3,640人

薬局・店舗・本部の機能向上

社内人材の育成・能力開発

KPI 教育費用・教育時間
2023年度実績
  • 1人当たり費用 20,983円
  • 1人当たり時間 25.4時間
KPI 各認定薬局数
2023年度実績
  • 地域連携薬局 593店舗
  • 専門医療機関連携薬局 37店舗
  • 健康サポート薬局 245店舗
2025年度目標
  • 地域連携薬局・専門医療機関連携薬局 全薬局でいずれかを認定
  • 健康サポート薬局 薬局50%以上で認定

新サービスの提供

・社員パフォーマンスの最大化(タレントマネジメント)
・外部専門人材の積極採用

KPI 社内公募応募数
2023年度実績 132人
KPI キャリア採用数(専門職)
2023年度実績 30人

社員一人ひとりの価値創造力の向上

・社員エンゲージメントの向上
・社員の健康力の向上
・社員のダイバーシティ

KPI 社員エンゲージメント★ ※1 
2023年度実績 前年より±0ポイント ※2
2030年度目標 偏差値55以上
KPI 月間平均残業時間
2023年度実績 6.1時間
2030年度目標 20時間未満を維持
KPI 年次有給休暇取得率
2023年度実績 66.9%
2030年度目標 80%
KPI 長期連続休暇取得率
2023年度実績 93.7%
KPI プレゼンティーイズム★ ※3
2023年度実績 前年より0.9ポイント改善 ※2
2030年度目標 前年より改善
KPI アブセンティーイズム★ ※4
2023年度実績 0.54
2030年度目標 前年より改善
KPI 内部通報件数(ハラスメント)
2023年度実績 17件
KPI 労働災害度数率
2023年度実績 0.39
2030年度目標 0.00
KPI 健康関連研修受講率
2023年度実績 94.8%
2030年度目標 100%
KPI 社員の多様性
2023年度実績
  • 女性社員 12,358人(女性社員比率 81.8%)
  • 外国籍社員 39人
KPI 労働時間選択制度利用者数
2023年度実績 883人
KPI 女性管理職率
2023年度実績 36.8%
2025年度目標 40%
KPI 男女賃金格差
2023年度実績
  • 管理職(女:男)1:1.18
  • 非管理職(女:男) 1:1.27
KPI 育児休業取得率
2023年度実績
  • 女性 98.8%
  • 男性 54.7%
2030年度目標 男女ともに100%
KPI 介護休業取得者数
2023年度実績 11人
KPI 人権関連研修受講率
2023年度実績 94.8%
2030年度目標 100%

★:正社員のみ
※1 社員エンゲージメント(仕事満足度)は、ユトレヒト・ワークエンゲージメント尺度と相関の高い他項目を複数用いたオリジナルの尺度で測定し、実績値は偏差値で算出。
※2 2023年度調査回答率は95.9%(回答人数は約9,500人)
※3 プレゼンティーイズム(生産性損失割合)は、 WHO-HPQの絶対的プレゼンティーズム(0~100点)を用いて測定し、社員平均の実績値を測定。
※4 全体の延べ日数に対する、私傷病休職の割合

主な取り組み

人材育成

当社グループが目指しているのは、お客さま・患者さまの笑顔のために、真摯に向き合うサービス。その基盤となる、スキルとホスピタリティマインドを兼ね備えた社員の教育に注力しています。基本的な社会人・企業人としてのあり方から、薬剤師、医療事務、販売スタッフそれぞれの専門的な知識まで、着実に習得できる教育システムを構築。自ら問題点に気づき、解決策を考え、実行できるようになるための環境を提供し、社員一人ひとりのスキル向上と全体のさらなるレベルアップを図っています。

ダイバーシティ&インクルージョン

当社グループでは、多様性を尊重し、社員一人ひとりの能力や個性を最大限に発揮できるよう支援することによって「お客さまの元気と笑顔」の実現につながっていくと考え、さまざまな取り組みを推進しています。

職場環境の整備

当社グループでは、社員が生き生きと活躍できる環境が何よりも重要であると考え、さまざまな取り組みや制度の整備を積極的に行っています。

健康経営

当社グループでは、社員一人ひとりの健康、そして生き生きと活躍できる環境が何よりも重要と考え、健康経営Ⓡをすすめています。産業医や健康保険組合等と協力し、さまざまな健康課題に対して取り組んでいます。
※「健康経営Ⓡ」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。